馬渕教室の社会担当、Yです。いよいよ受験シーズン到来です。馬渕教室は、受験生の皆さんを全力で応援していきます。少しでも皆さんが自信を持って受験や普段の勉強に臨めるように、私がこの時期に毎年繰り返し観る、あるプロスポーツの大変印象的な試合ついて書こうと思います。


2015年9月19日、その出来事は起こりました。ラグビーワールドカップ イングランド大会「日本VS南アフリカ」戦です。対戦した2カ国の実力は、

南アフリカ
ワールドカップでの戦績 25勝4敗(ワールドカップ出場国 最高勝率保有国)
平均身長、体重は当該大会で参加国1位

日本
ワールドカップでの戦績 1勝21敗2分(1991年の勝利以来、24年間勝利なし)
平均身長、体重は当該大会で参加国17位(20カ国中)

試合前の予想は、言うまでもなく日本不利。イギリスのブックメーカーのオッズは南アフリカの勝利は1倍、日本は34倍。つまり、南アフリカの勝利は疑いようがないという状況でした。さらにラグビーは、番狂わせが起こりづらいスポーツです。体格とタックルなどのコンタクト、スピードがものを言うためです。

しかし、このような力の差が出るスポーツだからこそ、複数の試合をこなすワールドカップでは強豪国はレギュラーメンバーを温存することがあります。ひょっとするとこの日本戦、南アフリカはベストメンバーではないかもしれません! ・・・という期待もむなしく、南アフリカのメンバーは初戦ということもあり、完全なレギュラーメンバーでした。南アフリカの勝利はもはや疑いようもなく、あとは日本代表がどこまで見せ場を作ることができるか・・・見どころは「負け方」、そういう雰囲気が試合前にはありました。

そんな中、日本代表は大会に向けて、エディー監督を中心に徹底した練習を繰り返しました。その練習は早朝から基礎基本を徹底する、厳しい練習だったそうです。1日4部練習、直前合宿は120日間。絶望的な戦力差と思われた両チームでしたが、この日本代表の壮絶な努力が、試合では見事に活かされます。

いよいよ試合開始です!

まったく体格の違う南アフリカの選手に、日本はダブルタックルで対抗します。一人が当たり、そこにもう一人がすぐにタックルをする。その連携が実に見事な試合でした。全選手が他の選手のサポートに回り、倒れては起き上がりサポート。そして、日本代表はミスも最小限に抑えます。

予想外にペースを乱された南アフリカは、徐々に反則が増えます。大量得点差どころか、前半を日本10-12南アフリカの僅差で折り返します。

そして、後半終了間際のロスタイム。3点ビハインドの日本は南アフリカの反則を誘い、ペナルティゴールのチャンスを得ます。この3点を取れば日本は南アフリカに「引き分け」。ラグビー強豪の南アフリカが相手です。「引き分け」でも世紀の大波乱でしょう。

しかし、ここで日本はペナルティゴールを選択しませんでした。失敗したら負けであることを覚悟で、「引き分け」ではなく、逆転トライで「勝利」を狙いにいくのです! 会場は、どよめきと日本の選択を賞賛する声で盛り上がります。

ロスタイムですので、プレーが途切れた瞬間にノーサイド(試合終了)です。そんなプレッシャーの中・・・日本はスクラムから逆転トライを奪い、劇的な勝利をおさめたのです!(この試合は、「ラグビー」「日本対南アフリカ」のキーワードで、インターネットで簡単に検索することができます。実際に見てもらうと、すばらしい感動を味わうことができますよ。おすすめです!)

日本だけでなく世界中が大騒ぎです。ハリーポッターの作者はTwitterで「こんな話は書けないわ・・・」とつぶやき、メディアは日本の勝利をあきらめない姿を手放しで賞賛し、勝利を祝福しました。南アフリカメディアも自国の選手を責めるのではなく、日本の健闘をたたえるものが多かったです。


私はこの映像を毎年冬に見て、「本気の努力を積み重ねること」「最後まであきらめない」ことこそが「結果につながる」と、再認識させてもらっています。

エディー監督の言葉です。
「日本人の一番すごいところはどこだと思う? それは文句も言わないで、誰よりも一生懸命に練習できるという点なんだよ。オーストラリアでも南アフリカでもイングランドの選手でも、あそこまで練習に打ち込むことは絶対にできない」

何事もしっかりとした基礎基本を徹底すること、そしてその成長を感じるような小さな成功体験を、皆さんにも積んでほしいと思っています。最終的な受験というゴールに向けて、小さなテストほど大切にしてください。そこで「自分はできる」ということを感じてください。

受験生の皆さんはこれまで自分が解いてきたテキストやプリントを目の前に積んでみてください。それがあなたの努力の結晶です。受験生の皆さんは入試まであと少し、中学生は学年末テストです。体調管理をしっかりとして万全の体制で臨んでください。

追記 24年ぶりに勝利をおさめたラグビー日本代表は同大会でサモア、アメリカの世界の強豪2カ国にも勝ち、3勝をあげました。努力と1つの勝利が、日本代表を大きく飛躍させたのです。