当ブログをご覧の皆様、あけましておめでとうございます。馬渕教室の英語担当、Yです。今年もよろしくお願いします。さて、今回私が皆さんに伝えたいテーマは「人工知能」についてです。

最近は、人工知能=AI(Artificial Intelligence)がニュースに登場しない日はありません。
「2045年ごろには、AIが全人類の知能を上回るかもしれない」
「今ある職業の49%が、今後10~20年でAIなどのロボットに代替される可能性がある」
こんな話を聞くと、怖いような、楽しみなような…そんな気持ちになりますよね。

人間は、AIとどのように付き合っていけばよいのでしょうか。


2017年、人類は2つの知的なゲームで人工知能(AI)に「勝利宣言」をされている。米グーグルのグループ企業である英ディープマインドが開発した「アルファ碁」は、16年末から17年にかけてインターネットの囲碁サービスに匿名で参加し、プロを含む相手を次々と撃破。17年5月には現時点で世界最強とされる中国のプロ棋士、柯(か)潔(けつ)九段にも3番勝負で3連勝と完勝。「人間と対局するのはこれを最後にする」と語り、事実上の勝利宣言を下した。 ほぼ時を同じくして将棋でも、現役最高峰の佐藤天彦名人との3番勝負に山本一成氏が開発した「PONANZA(ポナンザ)」が連勝で完勝。主催するドワンゴの川上量生会長は「現状の人間とコンピューターが同じルールで真剣勝負するというスタイルは、役割を果たしたと感じた」と説明し、コンピューターと将棋のプロが戦う「電王戦」は今回で終了した。(2017/12/20 日経新聞より)

「世界最高レベルの実力を持つプロ棋士や名人にAIが勝った」と聞くと、皆さんは「AIは人間よりかしこい!」と思うかもしれませんね。

AIは「豊富なデータや画像を読み込んでの学習」など、特定の状況では人間を大きく上回る能力を発揮します。「囲碁」や「将棋」は「ルールが明確で、すべての情報が見えているゲーム」であり、「過去の対戦記録が大量に存在する」ため、AIの特長を発揮しやすいのです。ですから、「AIは人間よりかしこい!」と言えるものの、「限られた状況」という条件をつける必要があります。AIは、万能ではないのです。

先生も、本将棋ではAIに100%負けますが、将棋崩し(山崩し)では負けないと思うんですけどね~あ、でも「将棋崩し専用 AI搭載ロボットアーム」が出現したら、負けちゃうかな!


AIの特長を生かして、医療の分野でも毎日のようにニュースがあります。

膨大な医学論文を学習したAIが、人間の医者には診断が困難であった患者の病気を10分ほどで見抜いて適切な治療法を助言、患者の回復に貢献していた。(2016/8/4 日本経済新聞より)

内視鏡検査の支援としてAIの活用が始まる。病変の種類によっては約20%が見逃されている場合もあるが、内視鏡の撮影画像をAIで解析することで、感度98%で病変を検知できた。(2017/12/1 日本経済新聞より)

人間の医者と同じ能力、あるいはそれ以上の精度で診断できるAIの活用。すごいですよね。

でも、それで病気だと診断されたら、いったい誰がその事実を患者に伝えるのでしょうか?AIが患者に伝えるのでしょうか?

人間の「心」や「感覚」を共有できるのは、やはり人間です。人を和ませたり悩みを聞いたり、人と人とのコミュニケーションにおいては、人間は重要な役割を果たすことができます。進化するAIによってすべてがまかなえるわけでなく、人間がなすべき役割も確実に存在するのです。


AIとの付き合い方を考えるということは、AIの進化とともに大きく変化する環境の中で、私たちはどのように考えどのように行動するべきかを考える、ということです。

AIが生み出すイノベーションにただ驚くだけで、不確かな知識で不安になったり、誤った結論で思考を停止したりしてはいけません。固定観念に囚われず、変化に対応できる柔らかい思考で、人間の存在意義を正しく見つめる必要があります。

ひとつのことにこだわる姿勢も重要です。しかし、ときにはこれまでの慣習から脱却し、新しい考え方や手法に、次なる変化に対応しようとすることも、同じぐらい重要なのです。

気持ちもあらたに、2018年もがんばりましょう!