今月のブログは、英語科K先生です。


みなさんの住む町の駅前には、高いビルや高層マンションがあるでしょうか。

ふだん私が授業をしている校舎の前でも、今まさに、地上185メートル、52階建ての大型タワーマンションの建設が進んでいます。その建設中のマンションを見て、小学生が私に、こんな質問をしてくれました。
「どうやってあんなに高いマンションを建てるのかな?」
すばらしい質問ですね! 素朴な質問に感動した私は、さっそくあれこれと調べてみました。

高層マンションの建設に欠かせないのが、「タワークレーン」と呼ばれる組み立て式のクレーンです。みなさんも、建設途中のビルやマンションの一番上に、大きなクレーンが載っかっているのを見たことがありますよね。

では、どうやってこんな大きなクレーンを屋上まで持って行くのでしょうか。これは、建物が徐々に高くなっていくのに合わせて、クレーンの台座も少しずつ上へ上へと移動させ、常にクレーンが建物の一番上にある状態を保っているそうです。たとえるなら、建築中のビルの屋上にいるキリンが、建物が高くなるのに合わせて上昇し、つねに屋上にいるようなものです。

では、完成した建物からクレーンを地面に下ろすのはどうするのでしょうか。3種類の大きさの違うクレーンがあると考えてみましょう。

その3種類を「大」「中」「小」とします。完成した建物の屋上に設置されているクレーン「大」は、一回り小さなクレーン「中」の部品を地上から持ち上げます。クレーン「中」はクレーン「大」の近くに組み立てられます。クレーン「中」が完成したら、クレーン「大」を解体します。解体されたクレーン「大」の部品は、クレーン「中」によって地上に降ろされます。

このクレーン「中」は、さきほどと同じ要領で、クレーン「小」によって地上に降ろされます。さいごに屋上に残ったままのクレーン「小」はどうやって地上に降ろすのでしょうか。クレーン「小」は小さいので、解体すると人が運べるサイズなのです。エレベーターを使って、人の手で運び下ろされます。あんな大きなクレーンが、最終的には人が持ち運びできるサイズにまで小さくなるのです。目からウロコの驚きですよね!

そんな「クレーン」ですが、建築物が大きければ大きいほど、クレーンも大きくなければなりません。そして、支える「土台」がしっかりしていないと大きなクレーンを設置することができず、建物そのものが完成しません。基礎からきちんと積み上げないと、クレーンも上へと上がっていけないからです。

勉強もスポーツも音楽も、高いレベルに到達するためには「土台」が大切です。基礎基本に真剣に取り組み土台をしっかりさせてこそ、満足する成果につながることでしょう。基本練習がたいへんだな、と感じたとき…投げ出してしまわないで、建築中のビルやマンションの最上階のクレーンのことを、ぜひ思い出してみて下さい。