新学年を迎えたみなさん、こんにちは!馬渕教室では一足早く2月から新学年ですが、いよいよこの4月から、学校も新学年ですね。新しい学年で、みなさんがよいスタートをきれることを願っています。

そんな皆さんに、今回は高校受験の合格発表の瞬間の感動をお伝えしましょう。

今から10年前のお話です。


公立高校の合格発表の日。私はいつも通り、発表に立ち会うためにある高校に行って、多くの生徒・保護者とともにその瞬間を待っていました。担当した生徒全員の合格を祈り、全員の番号が掲示板に載っていることを心から願いつつ。

その年は、一人、どうしても気になる生徒がいました。成績は合格ラインギリギリ。夏休みに頑張りきることができず、二学期から成績が下がり続けて、志望校合格は正直なところ厳しい。しかし、本人とお母さんは、頑として志望校を変えませんでした。進路懇談では、本人の純粋な気持ち、お母さんの愛情を理解しながらも、本人の成績を見て適切なアドバイスをしなければなりません。私も「合格は難しいと思います。」と伝えなければならず、懇談の間、自然と涙が流れてしまいました。しかし、お母さんは「本人の人生ですから。」と、全てを見通した強く温かい笑顔でおっしゃいました。結局、その生徒は第一志望校を受験することになりました。

そして、合格発表の当日、高校でお母さんをお見かけしました。「先生、ウチは大丈夫です。合格しているはずはないので、番号ないことだけ確認してすぐに帰るので、フォローとかは結構ですからね。」と笑顔でおっしゃいました。お母さんの気持ちを考えながら、私は何も言えませんでした。

いよいよ合格発表です。合格者の受験番号の掲示板が、高いところからゆっくりと下ろされます。「きゃーー!」「わーー!!」周囲は大歓声につつまれ、いたるところで抱き合ったり握手をしたりする生徒と保護者、塾の先生達。

その瞬間です。ひしめく受験生をかきわけながら、彼が私のほうに全力疾走してきました。「先生、僕の番号あった!!」
あまりの驚きに現実を実感できず、思わず出てきた言葉が「落ち着け、もう一度見てこい!」そして、もう一度…「先生、やっぱりあった-!!」
その瞬間、驚きと喜びで心が崩壊しそうになりながらも、遠くでこの様子を見ているお母さんを見ると、お母さんは、まさに泣き崩れている瞬間でした。

自分の人生で最も美しい瞬間として、一切色あせることなく心に残っています。


夢は、あきらめないことです。彼の合格は、第一志望をあきらめなかったことが第一のポイントです。

ただし、もうひとつ重要な教訓があります。夢は、毎日の計画的な努力の積み重ねで、より現実に近づきます。入試においては、合格可能性を高めます。この生徒は感動的に第一志望に合格できましたが、ぎりぎりの受験だったことも事実です。私は受験が終わってから、いろいろ反省しました。

少しの失点であっても、絶対に油断させてはいけない。
苦手教科には、早めに着手させよう。
特に中3の夏休み、踏ん張りきれない生徒を、もっともっとやる気にさせよう。

私は、毎年あらたな受験生に接するたびに、『絶対に全員余裕を持って第一志望校に合格させるぞ!』と固く決意しています。

生徒のみなさん、第一志望合格に向けて、馬渕の先生たちとがんばりましょう!