今回のブログは、英語科のK先生からです。


英語が嫌いになっていませんか? 英語が苦手だと思い始めていませんか?
そんなあなたに、私からちょっとしたお話を…

皆さんは、言語の中でももっとも難しいとされる日本語を、日々お友達との会話の中で、不自由を感じることなく使いこなしていますよね。その日本語に比べれば、いかに英語が簡単な言語であるか。その一例を紹介しましょう。

英語では犬の数を数えるときにa dog, two dogs, three dogs……ten dogsと二匹目からは数字+名詞に複数を表すSをつけるだけで、十匹でも百匹でもこのルールは変わりません。では、日本語はどうでしょうか。

一ぴきの犬、次は二ぴきの犬ではなく、二ひきの犬、そして次が三びきの犬、それから四ひき、五ひきとひきが続き、次の六でまた、ぴきに戻る。つまり、前にくる数字によって、ぴき、ひき、びきと使い分けをしなくてはなりません。もちろん、こんなことをいちいち頭の中で考えて、言葉に発している人はいないでしょう。

さらに恐ろしいことに、その名詞が犬から鉛筆に変われば、一ぽん、二ほん、三ぼんと数え方までが変わります。車だったら一台、二台、本だったら一冊、二冊と、その数え方はそれぞれ異なってきます。日本語を学ぶ外国の人々にとっては、日本語の大変難しい点のひとつです。

そして、この複雑な日本語の数え方を、あれやこれやと間違う子供たちがいるでしょうか。「私は犬を二ぴき飼っています。」という間違いを聞いたことがありますか。いや、幼稚園児でさえ、間違うことはないでしょう。

しかも、彼らがそれをテキストや問題集から教わったかというと、決してそうではありません。私たちは、この複雑な物の数え方について、単純に耳から聞いて、気がつけばそれを口から発し、自然と身につけてきました。だからこそ、私たちは考えることなく瞬時にそれらを使い分けることができるのです。それが言語なのです。

加えて、日本語は漢字、カタカナ、ひらがなと三種類の文字が存在します。しかも、漢字に関しては音読みと訓読みまでも使い分けをしなくてはならず、日本語の難しさは、読み書きの分野にまで話を広げると、世界でも難解な言語の一つであると言えます。

それに比べて英語はどうでしょうか。あらゆる単語やセンテンスをアルファベット26文字だけで表現することができます。それだけをとっても、日本語に比べると、いたってシンプルで簡単な言語であると分かりますね。

普段から漢字の音読み、訓読み、カタカナ、ひらがなの組み合わさった日本語という言語を使いこなしている私たちからすれば、英語を学ぶことなど本来であれば簡単なはずです。あとは、いかに数多く英語を聞き、数多く口から発するかが鍵となります。そして、それらを繰り返すことが言語習得の最善の道でもあります。

英語は、数学のような学問ではありません。誰もが習得できる「言語」にすぎないのです。赤ちゃんがお母さんの話す言葉を聞いて、何度も繰り返しているうちに習得できるのが言語です。しかも、英語は日本語に比べれば、圧倒的に簡単で学びやすい言語なのです。身近な英文や単語、テキストの基本例文などを繰り返し声に出して、繰り返し耳で聞くところから気楽に始めてみましょう。きっと今までと違った景色が見えてくることでしょう。