6月になりました。
第2回公開テストや中間テストの結果はいかがでしたか?
満足できる結果だったでしょうか?
6月の「まぶログ」も、4月・5月に続いて成績に関するお話をしますね。

みなさんは「マシュマロ実験」というものをご存知でしょうか?
米スタンフォード大学で、心理学に関する実験が半世紀にわたって行われました。
マシュマロを使って子どもたちの「自制心」と「将来の成果」の関連性を見る、とても有名な実験です。

ある保育園に通う4歳の子どもたちにマシュマロを1つ与え、
「15分間マシュマロを食べずに我慢できたら、マシュマロをもう1つあげる」と告げて、部屋に子ども1人にします。

たったこれだけの実験です。
すぐに食べてしまって1つのマシュマロしかもらえない子どもと、
15分我慢して2つのマシュマロを手に入れる子ども、みなさんはどちらが多かったと思いますか?
結果的に、全体の3分の1の子どもたちがマシュマロを食べずに我慢して、2個目のマシュマロを手に入れました。
そして、この実験のすごいところが、その子どもたちのその後の人生を追跡調査している点です。

マシュマロを食べなかったグループはその後の人生でも優秀だと評価される割合が高かったそうです。
マシュマロを食べてしまったグループよりも、食べなかったグループでは、
800点満点の大学進学適性試験において、トータルスコアで200点以上も異なることが分かりました。
すなわち「自制心がよりよい結果を生み出す」という結果になったということです。

ただ、昨年この実験を別の研究チームが再現したところ、
「オリジナルのマシュマロ実験が示す結果は限定的である」との結果が示されました。
実験の対象となった子どもたちの置かれた家庭環境が、経済的に一定水準に達している点が指摘されました。
そして、様々な環境に置かれた子どもたちを実験対象とする場合は、
長期的な子どもの成功は、「自制心よりも、子どもたちを取り巻く環境に左右される」と結論づけました。

この半世紀に渡る実験結果を、馬渕教室生に当てはめてみましょう。
「馬渕教室に通う生徒」という、取り巻く環境のよく似た限定的なコミュニティーの中では、
オリジナルのマシュマロ実験が示すように、
「より自制心の強い者、より我慢強い者」が
その後、長期的な人生において成功する可能性が高いことを証明してくれているとも言えます。

ある著名な心理学者は、自身の成功の理由の一つとして「根性」を挙げています。
彼は自らの「根性」を、「長期的な目標に対する関心と努力を継続する能力」として定義し、
「数値で表されるものではないが、数値よりも成功を予見させるもの」と表現しています。

もちろん、すべてを「根性論」「精神論」で片付けることはできませんが、
「自制心」と呼ばれる「自分自身の感情をコントロールし、目先の欲求を我慢する能力」が、
みなさんを成功に導いてくれることは間違いありません。