アメリカのメジャーリーグベースボール(MLB)でシーズン最多安打記録保持者であり、プロ野球での通算最多安打数世界記録保持者、2019年3月に現役引退したプロ野球選手は誰でしょう。

答えはイチロー選手です。そのイチロー選手が小学校の時に書いた作文を知っている人も多いのではないでしょうか。

「夢」
ぼくの夢は、一流のプロ野球選手になることです。そのためには、中学、高校で全国大会へ出て、活躍しなければなりません。活躍できるようになるには、練習が必要です。ぼくは、その練習には自信があります。ぼくは3才の時から練習を始めています。3才~7才までは、半年位やっていましたが、3年生の時から今までは、365日中360日は、はげしい練習をやっています。だから一週間中友達と遊べる時間は5時間~6時間の間です。そんなに練習をやっているんだから、必ずプロ野球の選手になれると思います。そして、中学、高校でも活躍して高校を卒業してからプロに入団するつもりです。そして、その球団は、中日ドラゴンズか西武ライオンズです。ドラフト入団で、契約金は1億円以上が目標です。

イチロー選手は小さな頃から大きな夢を持ち、その夢の実現に向けて努力し続けたことがわかりますね。そして、どこの球団に入りたいのか、契約金がいくらなのかという、細部まで夢を掘り下げて明確にできている点もすごいと思います。

さて、この作文の最初の3文から、夢を実現させるために大切な点を考えてみましょう。
①まずは夢(目標)を持つことです。その夢は、イチロー選手のように大きな夢でも近い未来の夢でもかまいません。
②次に、その夢の実現のために今何をしなければいけないか、具体的な行動を考えましょう。
③そして、そのために今必要なこと(足りていないこと)は何なのかを考えましょう。

わたしの夢は(  )です。
その夢の実現のためには(  )しなければなりません。
そのためには(  )が必要です。

夢の実現に向けて、このように過程を「逆算」することが大切です。ゴールに視点をおくことで、そのゴールにたどり着くために今やっていることの意味や価値がはっきりします。
ただ、この②や③を考える上で大切なことがあります。

作文にはまだ続きがありますので見てみましょう。

去年の夏、ぼくたちは全国大会に行きました。そして、ほとんどの投手を見てきましたが、自分が大会ナンバーワン選手と確信でき、打撃では県大会4試合のうちに、ホームランを3本打ちました。そして、全体を通した打率は5割8分3厘でした。このように、自分でも納得のいく成績でした。そして、ぼくたちは一年間負け知らずで野球ができました。だからこの調子で、これからもがんばります。

夢の実現のためにもう一つ大切なのは、現在の自分の位置を知ることです。イチロー選手も野球の試合成績を基準として他者との比較をし、現状を把握しています。みなさんがテストで自分の位置を知り、現状を把握することと同じですね。そして、その現在の位置から夢の実現に向けた具体的な行動や、今の自分に何が必要なのかが先ほどの②や③にあたります。テストや試合等の後は、常にこの②や③が何なのかをじっくり考え、そしてそれを埋めていくために絶えず努力を続けていくことが大切です。この②や③について自分に必要なことがわからな かったり、どうすれば達成できるのか迷うことがあれば、馬渕の先生に相談に行きましょう。的確なアドバイスがもらえますよ。

そして作文の最後には、以下の内容も書かれています。

そして、ぼくが一流の選手になって試合に出られるようになったら、お世話になった人に、招待券を配って、応援してもらうのも夢の1つです。

自分を支えてくれている人への感謝も忘れていませんね。自分の夢を1人で実現させるのは難しいことです。周りに応援してくれている人が必ずいます。それは学校や塾の先生であったり、友人であったり…。でも、やはり一番応援してくれているのは家族ではないでしょうか。イチロー選手のように、周りの人への感謝の気持ちを持って、夢の実現に向かってください。

最後に、夢の実現に最も大切なことは何でしょう。 イチロー選手の作文の8文目に注目してください。

「必ずプロ野球の選手になれると思います。」

「必ず夢が実現する」と、強く念じることが大切なのではないでしょうか。

ここまでイチロー選手の作文を参考に、夢の実現までのストーリーを見てきました。
このようにみなさんも、夢(目標)を持ち、その実現のために過程を逆算して日々の具体的な行動を考え、努力し続けてください。