寒い冬も終わり、桜の咲く季節が近づいてきました。3月は「弥生(やよい)」とも表記されますね。なぜ「弥生」というかご存じですか?

弥(いや)には「いよいよ・ますます」、生(おい)には「草木が生い茂る」という意味があります。まさに、「草木がますます生い茂る月」ということで弥生と言うのですね。

さて、3月から4月にかけては、中学や高校への進学や次学年への進級で、身の回りの環境が大きく変化すると感じている人も多いのではないでしょうか。草木が生い茂る暖かさもあって、私はこの時期になると新しいことにチャレンジしたくなります。私がチャレンジする時に心がけていることは「毎日決めた量をこなすこと」です。昔、これをせずに失敗したことがあります。

あれは確か4〜5才頃だったと思います。それまで補助輪付きの自転車に乗っていた私は、 祖父に補助輪を外してもらい、近所の公園で練習をすることになりました。最初は祖父に支えてもらいながらヨロヨロと自転車をこいでいました。自分の力で自転車をこぎたかった私は、祖父の支えなしに練習したいと申し出、何度もこけては手や足にすり傷をつくっていました。当然、その一日ではうまくこぐことが出来ず、「これから毎日公園で自転車の練習をする!」と祖父に宣言しました。次の日から猛特訓の日々が続きました…とはならず、3日ほどして、まったくこげる気配がなかったので、飽きてしまった私は、他の遊びに夢中になりはじめました。

それから何日か経ったあと、祖父が目の前に現れ、こっぴどく叱られたのを覚えています。ただただ、怖かったという記憶しかないのですが、「自分で毎日練習をすると言ったのではないのか。そんなことではこの先、何もできるようにならない。」といったようなことを言われたと思います。

当時は幼いこともあって泣きながらこいていただけだったのですが、今となってはその頃の祖父のアドバイスがあって今の自分がいるのだと感じています。

英語が得意になりたい、楽器が弾けるようになりたい、スポーツで活躍したい、絵が上手に描けるようになりたい、料理上手になりたい等、みなさんにはやりたいことが山ほどあると思います。チャレンジし始めた時だけ一生懸命やっても、習得することはできません。

何をするにしても、練習をしていて楽しい時期とつらい時期があると思いますが、どんなときにも「毎日決めた量をこなす」ことで、1年後には大きな財産となって自分に返ってくることでしょう。「継続は力なり」さぁ、この春、何か新しいことにチャレンジしてみてはどうですか。