みなさん、こんにちは。いよいよ学校も再開され、本格的に新年度のスタートですね。この機会に心機一転、勉強で苦手科目を克服しようと考えている人もいるのではないでしょうか。そんなみなさんに、成績の上がり方のお話です。

成績は勉強すれば上がるのは少なからず本当ですが、実は1時間勉強するごとに、偏差値が1ポイント上がるといったような勉強時間と偏差値が比例して結果が出ることはまれです。最初は勉強していてもなかなか成績は上がらず、あるとき急に伸びはじめることが多いようです。この現象を「ブレイクスルー」というそうです。これには理由があって、分野を超えて様々な基本がある程度わかるようになった時、応用問題の仕組みが見えるようになり、急にどんどん解けるようになるためです。例えば、算数の四則混合計算では、足し算・引き算・かけ算・割り算のどれか一つでも解らない計算があれば、解くことが出来ませんが、4つの理解度がすべてそろったときに、それまで解くことが出来なかった四則混合計算もスラスラと解けるようになるといったようなことです。特に苦手科目では、その基本に積み残しがあるため、勉強をはじめてもすぐには成績に表れないことがあるのです。ただ、そこで大切なのは、その期間を我慢し、継続して勉強出来るかということです。そこでがんばることが出来れば、「ブレイクスルー」がいつかあなたにも訪れます。

実際、勉強だけでなくスポーツなどでも注目されていなかった選手が急速に成長する例があります。例えばプロ野球で、日本からアメリカに渡り日米通算203勝をあげている黒田博樹投手は高校時代は上宮高校で控え投手でした。高校時代の公式戦登板は2年生の時のわずか3試合のみだったそうです。 また、大学卒業後、日本のプロ野球で1年目から20勝して大活躍、その後メジャーに渡ってからは日本人初のワールドシリーズ胴上げ投手にもなった上原浩治投手も高校時代は東海大仰星高校の控え投手で、あまり登板機会はなく、高校卒業時にはプロから声がかかることはありませんでした。二人とも、今でこそ野球が好きな人に聞けば知らない人はいない名選手ですが、高校の時は全くの無名選手でした。もし、彼らが高校で野球をあきらめていたら、その後の活躍は見られなかったでしょう。

この初期段階の苦労は自転車によく似ています。自転車で一番力が必要で大変なのは、止まった状態から動き始める漕ぎ出しの瞬間です。実際、スタート時のスピードでは、歩行者の方が速いぐらいです。しかし、一度回転をはじめた自転車のペダルは軽くなり、どんどん加速して、歩行者では見られない軽快な景色が見られるようになります。

今、頑張ろうとしているみなさん、がんばったのに何も変わらないと思って、そこであきらめてしまえば、自転車は止まってしまいます。そこを乗り越えることが出来た人にこそ成績アップの瞬間「ブレイクスルー」がやってくるのです。この新学期のスタートを機に是非、継続して苦手科目の克服に努めてみてはどうですか。きっと、その先には、今までに見たことのない景色が広がっていることでしょう。