みなさんは、これまで、「勉強しないといけないのは分かっているけれど、なぜか勉強する気にならない。」という経験をしたことがありませんか。
例えば、本当は、今やらないといけない宿題を後回しにしてしまって、提出期限に遅れてしまったり、休みの日に一気に勉強しようと思ってみたものの、結局、全然はかどらず、「今日1日を無駄にしてしまった…」と自己嫌悪に陥ったりしたことはありませんか。

これに関して、社会心理学では「認知的不協和」という言葉があります。人が陥りやすい、とても面白い心理的傾向なので、ここで紹介しますね。

人間の感情というのは、とても複雑です。先ほどの例のように、みなさんもこれまでに、「勉強しないといけない」という気持ちと「勉強したくない」という気持ちを同時に持ったことがあるかもしれません。このように正反対の考え方が頭の中にある状態のことを「認知的不協和」といいます。

当然ながら、頭の中に矛盾した感情があると、人は不快に感じるので、人間はこの状態をなんとかしようとして、どちらか片方の考え方を無意識のうちに都合良くゆがめてしまいます。「勉強する」ことと「勉強しない」ことを比べると、「勉強しない」方が楽なので、「勉強しない」言い訳を作って、「認知的不協和」を回避しようとします。

これは日常生活のいろんな場面でも目にします。例えば、買い物に行って、少し高価な商品を目の前にして、買おうかどうか悩んでいるときに、その商品の売り場に、「頑張った自分へのご褒美に!」という広告がついていると、「もっと安い商品もあるけれど、自分は毎日よく頑張っているから、今日くらいはこの商品を買ってもいいよね!」とついつい手を出してしまいませんか?「高価な物がほしい」「お金の浪費を避けたい」という認知的不協和が、うまく解消されてしまったことが分かると思います。

しかしながら、自分にとって楽な選択ばかりしていたら、いつまでも成長できません。 “If you want to do something, do it now!” (もし何かしたいなら、今、それをやれ!)という有名な言葉にもあるように、最善の方法は、あれこれ考えずに、まずは、行動に移すことです!人間の意識や感情は面白いもので、「勉強する」という行動をずっと続けていると、人はいつの間にか「勉強をしたくない」と思わなくなってしまうようです。嫌々でも、まずは手を動かしてみる。面倒でも、とりあえず、やってみる。これがやる気につながる一番のコツなのです。そして、このことは「作業興奮」効果と呼ばれています。

馬渕教室で、様々な生徒を見ていると、伸びる生徒は、みんな「できない理由」や「やらない理由」ではなく、「どうやったらできるのか」を考えています。そして、悩んだときは、とりあえずやってみる。そんな生徒が多いのではないのでしょうか。では、みなさんも、是非、明日から・・・ではなく今日から実践してみてください。